私的名盤選 : Euro Rock 編 = Part 2

♬ 当初の予定では France Spain でしたが、France だけでも相当な枚数になってしまう為に
今回
は France だけの私的名盤選とさせて戴きました。

 
☆ France
01 Ange / Caricatures ( 1972 )
    ● Fra ; Philips / Phonogram  6332.066(U)

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Side 1 
♪ 僕が洋楽のヒット・チャートに興味を持ったのは中学2年(14歳)の時だった。
当時の情報源と言えば、限られた音楽雑誌の記事やレコード会社の新譜やレコード店の広告の中から
拾い上げた他愛のないものやAMラジオのヒット・チャート番組から得た断片的なものだけだった。
1969年という年を振り返ってみると、当時のヒット・チャートは英米のヒット曲だけでなく、ヨーロッパの
ポップスが英米のそれと同じ土俵で語られるという日本独自の特殊な状況だったと言えるだろう。
  例えば、音楽雑誌に載っていた中野レコードの広告には未知なる名前のグループやレコードが
数多くあり、その中でもフランスの『オンジェ』というグループ名が気になっていた、という記憶がある。
それが実は Ange の読み間違いだと判ったのは、その中野レコードの通販で入手したというU君から
借りた彼等のデビュー盤である本作を1年か2年遅れの1972年か1973年頃に初めて聴いた時だった。
ヨーロッパのポップスを聴き慣れていた為か、仏語で歌っているロックに接しても特に違和感がなかった。
  まず、彼等の音楽が演劇的で展開されていたことに驚きを感じたし、とてもヨーロッパらしい芸術的な
音楽性に魅了されたことも頷けるのだ。
  だから、本作は間違いなくアート・ロックの傑作盤だと断言しよう。
それ以来というものの、僕の中では彼等の存在が大きくなっていったのは言うまでもないだろう。


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2 Ange / Au-Dela Du Delire ( 1974 )
    ● Fra ; Philips / Phonogram  9101.004(Y)

 
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 Insert Outside Insert inside  Side 1   
♪ 今回の選定ではグループ若しくはアーティストにつき各1枚という基準だったが、 Ange だけは
特別に2枚とした。おかげで Mona Lisa を外す羽目になってしまったが。
  まず " Caricatures " は絶対に外せないし、名盤だらけの彼等の音盤を選ぶというのは、本当は
3枚でも足りないぐらいの無謀な作業だったと思う。
内容から言えば " Emile Jacotey " や " Par Les Fils De Mandrin " 、そして、フランス国内では
古くからのファンが離れたが新しいファンを獲得したという、謂わば問題作である " Guet-Apens " の
中から選ぼうかと迷ったのだが、それでも敢えて本作を選んだのには理由がある。
 1) 初めて発売された国内盤である
 2) 廉価盤で入手が容易であった
 という苦しい理由で無理矢理に納得するしかなかった。
オリジナル盤に付属していたインサートが解説の裏に縮小ながら再現されていた点やジャケットが
E式ではなくA式仕様だったり、レーベルの盤面が黒色ではなく青色のままだった点に目を瞑れば
日本フォノグラムの国内盤は廉価盤であっても、どこぞの某K社とは比べ物にならない程の極めて
優秀な音質であった。
褒めてるのか貶しているのか( ^ω^)・・・
  ちなみに、解説にたかみひろし氏と一緒に記名がある原島美代子さんという女性は、この当時に
Martin Circus FC の会長をされていた人で、僕も何度かFC絡みの会合だったかフイルム・コンサートで
お会いしたことがあります。どうでもいい話ですか。

03 Atoll / L'Araignee-Mal ( 1975 )
    ● Fra ; Eurodisc / Wea  913.002
( 87028 ) (Y)

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 Side 1 
♪ 本作が輸入盤店に初めて入荷してきた年だったと思うが、2nd ラベルながら渋谷のCISCO で
リアルタイムで入手していた。
後に某K社の『ユーロピアン・ロック・コレクション』から発売された音盤の内で、一部のものを除けば
大体はオリジナル盤で所持していたが、シリーズの応援の意味もあってお布施代わりに買っていたという
立場を明かしたうえで、本作の国内盤に対しては厳しいことを書かせてもらおうと思う。
  まず、次作 " Tertio " が『ユーロピアン・ロック・コレクション』から発売された時に、仏の YES だとか
言い出した某T氏の戯言は完全に無視しても良いだろう。
  もちろん、ユーロ・ロックを語る時に Atoll の本作が絶対に外せないということには僕も異論はない。
  ただし、この国内盤だけは商品としての観点で述べるならば価値が無いように僕は思っている。
確かに、シリーズの中で10,000枚以上を売り上げたのは本作しかないそうだが、針飛びするだとか
マスターテープからではなく盤起こしだとか色々と言われているような欠陥品を有難がって聴いていては
本来の素晴らしい音空間が判らないという理由で駄目なのだ。
理想的なのは1st ラベルのオリジナル盤で聴ければ申し分ないのだが、相応のプレミアがあることから
2nd Issue の青ラベルでも充分な音質を得られるので LP で聴きたい人にはお薦めだ。
 ただし、現状の再生環境では余程のマニア以外はCDで聴くことの方が多いと思う。
   ということを踏まえた上で、既に 2009年にウニから発売されたCDを持っている人にも 2016年に
SHM-CD 仕様で発売された盤が比較的マシな音質であるという理由から薦めたい。
   しかし、高音質と謳っている割には効果が判り難く、その割に高価だという点が最大のネックというのが
悩みどころだろうか。

04 Clearlight / Les Contes Du Singe Fou ( 1976 )
    ● Fra ; Isadora / RCA  ISA-9009(A)

 Gatefold Outside Gatefold Inside
 Side 1 
♪ リアルタイムで日本コロムビアから発売されていた1st と 2nd の国内初回盤を聴いた時の
僕の印象を正直に述べるならば、1st と 2nd は少々取っ付き難い感じの音楽というものだった。
  しかしながら、渋谷のCISCO で本作を手に取った時には、そんなことは完全に忘れていた。
ジャケに描かれていたイラストのインパクトが強烈だったから、そのままお買い上げとなったのだ。
本作は前2作よりも聴きやすく、ブリティッシュ・ロックの影響下にあるシンフォニック・ロックとなっている。
スリリングな展開で進行してゆく辺りは模範的な完成度だが、英語で歌っている為にフランスらしさに
欠けている点や所々で Genesis の影響が見え隠れする点が弱点か。
  おそらく、これらの点が僕のような非プログレ者には受け容れられても、コアなプログレ者にとっては
不満に感じるかもしれない。


05 Emmanuel Booz / Dans Quel Etat J'Erre ( 1979 )
    ● Fra ; Spartacus / Polydor  2393.259

 
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 Side 2 
♪ 発売された当時に何の予備知識もなく、ただ Didier Lockwood が参加している音盤という理由だけで
入手したもの。
後に某F誌の集成本の表紙に使われたりして少しだけ驚いた。
何となく故北村君らしい感性の気もしたが、実際は誰のアイデアだったのかは既にスタッフを辞めていた
自分には判らなかった。
本作の内容は、飽くまでシンガーのソロ・アルバムであるということを忘れずに聴くべきだろう。
やや前衛的な感じの曲もあれば Jazz Rock もあり、という具合で好みが分かれると思う。
個人的には数年に1回でも聴けば充分だろうな、というのが、本作に対する評価だ。


06 Oniris / L'Homme Voilier ( 1979 )
    ● Fra ; Barclay  900.583

 
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♪ 本作は『ユーロピアン・ロック・コレクション』で発売された時に知った音盤で、個人的には同シリーズの
中でも拾い物の感がある音盤でもある。
如何にも仏のロック・グループらしいシアトリカルな構成で進行してゆくシンフォニック・ロックで、Ange の
影響が時折見え隠れするものの、単なる亜流だけで終わらずに巧く纏めている点が好印象だろうか。
実力があるグループであっただけに、僅か1枚の作品を残しただけで消えていったことや現時点では
オフィシャルでCD化がされていない為に、容易には聴くことができないことが残念だ。

07 Pulsar / Pollen ( 1975 )
    ● Fra ; Kingdom / Vogue  KY. 28031(Y)  
 
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 Side 1
♪ 最初に入手したのは、僕が大学3年だった 1976 年に下北沢の Edison で入荷したばかりの
 2nd ” The Strands Of The Future ” の英 Decca 盤だった。
すぐに 1st も渋谷のCISCO で英 Decca 盤で入手したが、個人的には 1st の方が浮遊感があって
今も変わらずに評価が高い。
  ちなみに、後に仏 Kingdom 盤で2枚共入手し直したぐらいに気に入っている。
キングから 1976 年作の 2nd ” The Strands Of The Future ” が翌年にレギュラー・プライスで
先に発売され、本作が 1979 年に同社の廉価盤シリーズ第1弾として発売された。
  尚、1st、2nd 共に英 Decca 経由の契約で国内盤が発売されたが、飽くまでオリジナル盤は
仏Vogue 配給による Kingdom 盤なので、オリジナル盤に拘る人には要注意だろう。

08 Memoriance / Et Après … ( 1976 )
    ● Fra ; Eurodisc / Wea  913.084 ( 28030 ) (Y)
 
Gatefold Outside Gatefold Inside
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♪ 本作はリアルタイムで新宿のCISCO で入手したもの。
契約の関係で日本では発売されなかった本作だが、日本フォノグラムから 2nd が発売されているので
プログレ者には馴染みがあるグループだろうと思う。 
個人的には 2nd よりも、如何にも個性的なフランスのグループらしいシンフォニック・ロック色が強く
打ち出されている、という点で、本作の方を評価している。
  尚、独Paisley Press から2枚共CD化されているので入手しやすいだろう。

09 Pentacle  / La Clef des Songes ( 1975 )
    ● Fra ; Arcane / Wea  913.001 ( 87021 ) (Y)
 
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 Side 1 
♪ 僕にとっては Ange だけは別格の存在なので、Christian Decamps のプロデュースで
彼等のデビュー作が Arcane レーベルから発売されたことを知った時は、絶対に入手しようと思っていた。
時期的にはEurodisc / Wea 配給の Arcane レーベルが RCA 配給による Crypto  レーベルへと
変更された頃なので、ほぼリアルタイムで日本に入ってきた輸入盤店が新宿のCISCO だけという
悲惨な状況だった。
僕は運よく入手できたのだが、その枚数も僅か2枚か3枚だけだったので、後に雑誌で紹介された頃には
残念ながら廃盤となって入手が難しくなってしまった。
 Arcane レーベルから発売されたものの多くは Crypto  レーベルから再発されたのだが、本作だけは
権利関係の為なのかは判らないが、再発されずに幻の1枚となってしまった。
現在は無事にCD化されているので、本作を知らない人はモグリとも言えるほどにシンフォニック・ロック
愛好家にとっては一家に1枚的な必聴盤だろう。
  尚、カナダ盤 ( Warner Bros. FLP-91301 ) の方が入手しやすいが、一時期カウンターフィット盤が
大量に出回ったことがあるので、オークション等での落札には要注意だろう。 
  まあ、現物を見ればジャケがピンボケだから一目瞭然なんだけど。

10 Tai Phong  / S.T ( 1975 )
    ● Fra ; Warner Bros. / Wea  56.124(B)
  
Gatefold Outside  Gatefold Inside 
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♪ 完成度という点で述べるならば、2nd ” Windows ” の方が遥かに高いと個人的には
思っているが、リアルタイムで国内盤が発売されて反響を呼んだという点で本作を選んだ。
残念ながら、オリジナルのゲートフォールド(エンボス加工)仕様ではなく、シングル・ジャケ
(エンボス加工)ではあったが、インサートという形でジャケの内側が再現されていた。
まあ良しとするべきかな。
解説を担当した某I藤M則氏の文章が 、実は” Rockadom ” に掲載されていたものと一字一句
同じだということを知っている人が何人いるんでしょうかねえ。
ついでに言うが、TみHろし、お前も Trace " Birds " で解説を転載してんじゃねえよ。www
  まあ、それは置いといても、2nd ” Windows ” がほぼオリジナル盤に近い仕様で発売されたことを
考えると、未だ無名の新人グループであったのにも関わらず、本作が期待以上のセールスをあげた
成果だからだろうと思われる。
これだけ有名になってしまった音盤を今更述べるのも憚れるのだが、プログレ者に受け容れられたのは
B面の絶妙な構成だろうというのが僕の見解だ。
念の為に断っておくと、当然これはLPでの話であって、決してボートラ収録のCDについてではない。
CDの場合だとボートラをオミットして聴かなければ、本来の構成の絶妙さが伝わり難いと思うからだ。
たとえ、シングル曲として聴く分には良い曲だとしても、アルバムの構成をぶち壊してしまうことが
多々あると僕は思っているので。


11 Carpe Diem / En Regardant Passer Le Temps ( 1975 )
    ● Fra ; Arcane / Wea  913.051 ( 87033 ) (Y)
 
Gatefold Outside Gatefold Inside
 Side 1 
♪ 後に Crypto  レーベルからシングル・ジャケに変更されて再発されたので有名だろう。
一言で述べるならば、Jazz Rock をプログレ風に変態的にやってみました的な音盤。
いやいや貶しているんじなくて褒めているつもりなんだけど。
捻くれた性格の為なのか素直に表現できなくててスミマセン。
  兎に角、好みが分かれる音盤であることは確かかな。これも数年に1回でも聴けば良いか。

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