白熊音盤店奮闘記(14)=Last Dance With Me

 これは北国のとある地方都市で小さな(←余計なお世話)CD店を構えている
白熊店長とアルバイト店員の『詩音(うたね)』ちゃんのズッコケ・コンビのお話です。
  飽くまで妄想・・・じゃなかったフィクションであることをお断りしておきます。

「遅くなり・・・ましたぁ・・・って、ちょっとお、店長。そんなところで何をやってるんですか」
「お、いいところに来たな。詩音ちゃんも一緒にやるかい?」
「嫌ですよぉ~、そんな熊踊りなんか」
「相変わらず口が悪い娘だなあ。だいいち、これは熊踊りじゃないぞ」
「まさかダイエットに効果的なビーズ・ブートレッグとかいうやつですか」
「それを言うなら、ビーズ・ブートキャンプだろ。違うけれどな」
「って言うか、寒くないですか。店の中・・・」
「仕方ないじゃないか。灯油が短期間で¥4も値上げになったんだよ」
「いいじゃないですか。¥4ぐらいでケチケチしないで下さいよぉ」
「ぶあっかも~ん!ポリタンク1つで¥72も違うじゃないか」
「いまどき¥72ぐらいじゃ缶コーヒーも飲めないですよ」
「ひと冬でポリタンクを何個使うと思ってるんだよ」
「判りませんよ、そんなこと」
「詩音ちゃんの時給を大幅にカットすればストーブを点けられるんだけどなあ」
「嫌ですよぉ」
「じゃあ、一緒に…」
「踊りませんっ!! ところで、いま流れている曲は何ですか?」
「やっと長い前フリが終わったか。あ~疲れた。これは Chicago の『長い夜』だよ」
「えっ!Chicago ってAORのグループじゃなかったんですか?」
「甘いな、詩音ちゃんは。初期の  Chicago  ブラス・ロックの代表格だったからね」
「ブラス・ロックって・・・バックでブカブカと鳴っているからですか」
「そう、これぞ寒い冬にピッタリのブラス・ロック!」
「ブラス・ロックって、そのまんまじゃないですか。でも、何で冬にピッタリなんですかね」
「ほら、のんびりとした曲が春で、爽やかな曲が夏、物悲しい曲が秋に似合うような感じだろ」
「飽くまでイメージ的に・・・ということですね」

 20071028203856.jpg   Chicago-Self-Us.jpg

  Chigaco Transit Authority / Self Titled  ( '69=L )
      Us ;Columbia    GP‐8
    Jap ; CBS‐SONY     SONP‐50116/117  ( 邦題:『シカゴの軌跡』 ) 
  ♭ Chicago / Self Titled  ( '70=R )
      Us ;Columbia    KGP‐24
        Jap ; CBS‐SONY SONP‐50233/234   ( 邦題:『シカゴと23の誓い』 ) 


「 Chicago の他にも B,S & T とか Chase というのもあったよなあ
「この自分と同じ顔の人形を持っている不気味なやつと人が走っているやつですね」
「何か酷い言われ方だが、当たっているところが悲しいよ」


 20071028203749.jpg  20071029131756.jpg

   B,S & T / Child Is Father To The Man  ( '68=L
      Us ;Columbia  CS‐9619
     Jap ; CBS‐SONY  SONP‐50076  ( 邦題:『子供は人類の父である』 ) 
  ♭ B,S & T / Self Titled  ( '69=R )
         Us ; Columbia  CS‐9720
     Jap ; CBS‐SONY   SONP‐50082 ( 邦題:『血と汗と涙』 ) 


   Chase-Self-Us.jpg
  
 Chase / Self Titled  ( '72 )
     
Us ; Epic / Columbia    E‐30472
         Jap ; Epic / CBS‐SONY    EPIA‐53001 ( 邦題:『追跡』 ) 


「ふっふっふ・・・詩音ちゃん、この程度で驚いていては駄目だよ」
「別に驚いてませんけど」
「ブラス・ロックの元祖的存在のグループというのはアメリカじゃなかったんだよ」
「あら、それは意外だわ」
「何処だと思う」
「判りませんよぉ」

「実はカナダの Lighthouse が元祖なんかじゃないかな、と思うんだよね
「何だかカナダというのも微妙な感じがするんですけど」
「60年代のRCA 時期のアルバムが日本ビクターから国内盤として発売されていたからね」
「そんなに古くからですか」
「しかも、万博の時に来日しているんだよなあ」
「まさに Lighthouse というだけに灯台下暗しっていうやつですね」
「おっ、いまのは上手い洒落だな。座布団1枚ね」
「ところで、バックにメロトロンが流れているのにブラス・ロックなんですか?」
「そうそう、この71年作の”One Fine Morning”は特別だね。懐かしいなあ…」
「このきれいなイラストのアルバムですね。あれ?」
「こちらも”One Fine Morning”ってなってますけど、ぜんぜんジャケが違いますね」
「これは英国盤なんだよ」
「英国でも発売されていたんですか」
「渦巻きぐ~るぐるで御馴染みの Vertigo からの発売で、イラストがロジャー・ディーン!」
「というと、まるで如何にもプログレって感じのアルバムみたいですよね」
「聴いたらブラス・ロックだった、というギャップ感が堪らないかも」

  20071029105825.jpg   20071029105903.jpg

   Lighthouse / One Fine Morning  ( '71
      ● Us ; Evolution  / GRT    3007        ( L )
             Uk ; Vretigo / Phonogram  6432.010  ( R )


「店長~ぉ、ここにある変なイラストとかフクロウのジャケットも?」
「変なイラスト・・・て、もしかして Walrus のことかな」
「セイウチというグループ名も凄いけれど、右のジャケットも充分にグロ過ぎますよ」
「ちなみにフクロウも変だろう」
「あ~、足が人間の手だ」
「というので思い浮かぶのが Web の” I Spider ”だね」
「あれも変てこなジャケでしたね」
「この HeavenBrass Rock 1 ”なんかも別の意味で変態的なジャケかな」
「きゃああ~、何よ、このジャケ・・・」
「あ、こらこら。そんなに思いっきり広げちゃ駄目だよ」
「へえ~、十字架になるんですね、これは」
「そう・・・これぞ元と同じように戻すのが難しい究極の変形ジャケ !!」
「扱いにくいですね。変形ジャケは Vertigo だけじゃないんですね」
「もちろんさ。この 3枚が英国のブラス・ロックでの個人的な推薦盤かな」

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   Walrus-Self-Uk.jpg   Walrus-Self-Us.jpg

    Walrus / Self Titled  ( '71=L )
       
Uk ; Deram / Decca   SML‐1072
      Us ;Janus / GRT   JLS‐3051 ( R )

「まずは Walrus からだけど、この 3枚の中では唯一国内盤が発売されていたんだよ 
「セイウチがですか。う~ん、売れそうにもない感じなんですけれど」
「確かに売れなかったなあ。(笑)キングから発売された国内盤を持っている人はマニアだ」
「ちょっとヴォーカルが弱い感じがしますね。演奏は好い感じなんだけど」
「なかなか厳しい意見だね。確かにヴォーカルが弱点、という意見には賛成だな」
「このフクロウのやつは A&M から発売されていたんですね」
A&M というと、Carpenters とか Sergeo Mendes & Brazil '66 というイメージがあるな」
「そのセメント何とかというのは知らないけれど、Carpentersは好きですよ」
「セメントじゃなくて・・・まあ、いいや。とにかく健全なイメージのレーベルだな」
「ブラス・ロックという割にはハモンド・オルガンが活躍していてカッコいい音ですね」
「実はハモンド・オルガンの名演奏が聴けるアルバムでもあるんだ」
「ブリティッシュ・ロックの醍醐味ですかね」
「まあ、そういうことかな。最後が HeavenBrass Rock 1 ”」
「いきなり、1曲目からギター炸裂ですか」
「なかなかのハード・サウンドで始まるけれど、途中からブラス・ロックになるだろ」
「ブラス・ロックって、もっと野暮ったい音かと思ったけれど洗練されているんですね」
「そうそう・・・だから、詩音ちゃんも一緒に踊ろうよ」
「だからぁ、その熊踊りは止めなさいっていうの」

   20071030142946.jpg   20071028203559.jpg

  Brainchild / Healing Of The Lunatic Owl  ( '70=L ) 
        Uk ; A & M  AMLS ‐979
  ♭ Heaven / Brass Rock 1 
( '71=R )
      ●  Uk ; CBS   S.66293

Last  Message
 『白熊音盤店奮闘記』は今回をもって一旦終わりとさせていただきます。
こんな与太話に付き合ってくれた心優しい皆さんに御礼申し上げます。
  それでは・・・また再開する日まで
Don't Say Goodbye …

   Utane -chan said "I think while being close, in order to be able to reopen"

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コメント

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白熊店長さん、こんばんは!
お疲れさまでございました。
ごゆっくりなさる良い機会ですね。
いつの日にかお戻りになるのを楽しみしておきますよ!

個人的にも大変お世話になりまして、ありがとう
ございます!!

この中ではB,S & Tの「Without Her」しか聴いたことがないのですけれど、他にも興味をそそられるますね。最後まで感心させられっぱなしです。

Thanks for your warm coment

♪ chitlin さん、温かいコメント感謝です。

>ごゆっくりなさる良い機会ですね。
いつの日にかお戻りになるのを楽しみしておきますよ!
 ふっふっふっふ・・・Last Message の最後にある詩音ちゃんの言葉を読んでいませんね。
白熊音盤店奮闘記』は一旦終了ですが、これを読めば何となく
意味が判りますよ。(←もったいぶり攻撃)

>個人的にも大変お世話になりまして、ありがとうございます!!
 いやあ、照れるなあ。(←単純)

Poler Bear Strikes,Again ! Coming Soon !!